17.4.10

アイスランド


火曜日から開催中のミラノサローネに行くため、今日ロンドンを出発する予定だったのですが、ご存知の通りアイスランドの火山噴火により飛行機が欠航になってしまいました。自然現象なのでどうしようもないけど、どうしようもないけど、なんでよりによって今週なの!
一緒に行く予定だったフランス人のFloと一緒にあれもみようこれもいこうそれでもってこれ食べようと数日前からわくわくしていたので、昨日は二人でどんよりビールで乾杯しました。現地にもたくさん友達が集まっていて、日本からきていたダクトのゆうやくんともあう予定だったし、前にインターンで一緒だったイタリア人のMarcoにもあう予定だったし…と考えだすときりがない。彼は寝床も準備してくれていて、私もおみやげをかっていそいそ準備にはげんでいたので、ほーんとしょんぼり。徳仁もニコラもトネリコもインゴマウラーもピザもティラミスもワインもお預けです。
フィレンツェには前のバイト先で一緒に働いていた岡田さんがシェフとしてレストランで働いていて、ちょっと遠いけど足を運ぶ予定だったのでそれもほーんとに残念。岡田さんのパスタ食べたかった…

今回の噴火はヨーロッパ全体が大混乱で、復帰のめども未だ立っていないし、すでに24カ国の空港が閉鎖されていて大変なことになっています。私のボスは木曜日にミラノからロンドンに帰ってくる予定だったのですが、未だにかえってきていません。昨日の電話によると、ミラノからスイス、ドイツ、ベルギーと移動して、今日ユーロスターというイギリスとベルギー、フランスをつないでいる電車で帰ってくるそうなのだけど、空港閉鎖の影響あってチケットも超割高。早くかえりたい…とへろへろでした。でもきっともっと大変な人もたくさんいるのだろうなぁと思うと、ピザ食べれないくらいでくろくろしててはいかんです。今年の夏か来年のサローネで必ずリベンジする!と心に決めたのでした。

6.4.10

American Apparel rummage sale


イースター第二弾はAmerican Apparelのセールのおはなし。
ブリックレーンのものすごく広い場所を貸し切って全品85%OFF以上というAAの大規模なセールがロンドンにやってきました。これで招待制でも入場料もとらないのだから、大丈夫なのかなーと思っていたのですが、まぁ三日間もあるしなんとかなるでしょ、初日に顔出してみよーうと軽くみていました。でもこれが大丈夫じゃなかった。
10時スタートに一番乗りは4時に並び始め、それが開店前には大変なことに。警察との乱闘あり、なぎ倒されて10人以上が病院に運ばれて、結局初日は開始30分くらいで閉鎖されたようです。道路まで通行止め。のんきに12時すぎぐらいにやってきた私は入れる訳がない。近くにいた中学生らしき女の子はロンドン外からの電車の切符を握りしめていれてよ〜とずっとだだをこねる。そりゃこねるよね、このためにロンドンきたのに。結局セキュリティを強化するということで、警察から許可が下りたみたいで、2日目からはならばずすんなり入れました。なんだったんだろうあの一日目のこみっぷりは…。
BBCにも取り上げられていましたが、動画がすごいです。車の上にのった少年は英雄のようになっているし、キャーキャー行っている意味がよくわかりません。途中でフードをかぶってかっこつけてるとこがちょっとおもしろい。

ところでセールの方はというと中はめちゃめちゃひろくて、ものすごい安くて、ちょっとウキウキしてしまいましたが、そんなにたいしたものは買いませんでした。会場に試着室はなかったのだけど、みんなパンツブラジャーおかまいなしで着替えまくる。いやぁやっぱりそのへんはみんな潔いね、ごちそうさまでした。

Pina Bausch


先週末、ロンドンはイースターで4連休でした。日本と違って、祝日があまりたくさんないので、みんな水曜日あたりからうきうきわくわくしている様子。私はというと、どこかへ行こうかなということも考えてみたのだけど、日本のゴールデンウィーク並みに高いし、再来週にイタリアにいくので今年はロンドンにいました。でもいろんなイベントにいったり、普段あえない友達にあったりととってもよいおやすみでした。


まずは、Pina Bauschのおはなし。

友達から話は時々聞いていて、ロンドンでいつか見れるといいな、と思っていたら去年の6月に突然他界してしまったピナ・バウシュ。それからちょこちょこと彼女が率いていたTanztheater WuppertalHPはチェックしていて、ロンドンでKontakthofを公演することを知りました。しかも大好きなBarbicanです。

Kontakthofは1978年に初演されたものを全く同じ内容で、素人の14歳のティーン達と、65歳以上のおじいさまおばあさま達で行うというものでした。ピナ・バウシュの作品は舞台装置がとてもこっていて美しいことで有名だけど、今回の作品はごく普通の社交場、といたってシンプル。そしてダンサーもプロではなく新聞で募集をかけて選ばれた素人。初めてのピナバウシュの公演がいつもとは違ったものでしたが、とてもよい作品でした。私は一日に2つ見たので、2時から夜の10時まで休憩を挟みつつ、座りっぱなしだったけれど、お尻のいたさなんて少しも感じる余裕はなかったです。

プロのダンサーとは違って、体型やダンスも皆バラバラで、65歳以上のおじいさまおばあさまたちは今まで歩んできた人生が至る所ににじみ出てきている。でもそういった体に刻まれたしわや動き、ティーン達の未完成な姿や所々にみえるわずかなあらが、かえって一人一人の個性を見ているような感じがして、とても面白かった。それは彼らが素人だから、老人だから、子供だから仕方ないというものとは全く別ものだと思います。

子供と大人の間のこれから社会へ踏み出して行く14歳の若者達と、社会の第一線から退いた65歳という高齢者は相反する立場のように見えて実はとてもにているのではないかな、と思いました。これから今までと違う世界へと踏み出して行くという意味では同じ立場にいるからかもしれません。そんな時期にピナバウシュの作品に参加できるということは、彼らにとってとても大きなことなのだろうな。

ハイヒールにスーツとカクテルドレスきてを3時間踊り続ける演者たちは、ティーンも高齢者の方々も実際みなとても楽しそうで、なんだかすごくうらやましかったです。


以下の文章は家に帰ってから、Kontakthofがなぜ65歳以上の高齢者で演じられることになったのか、ということを調べていた際にみつけたピナバウシュの言葉。

'ベオグラードかどこかで夜遅く、ホテルの大きな中庭にいたら、どこからともなく音楽が流れてきて、若者も老人もみな踊り出す美しい光景を見た。そのとき、私、気付いたのよ。若い頃、歳をとって60歳になったら、世界は全く違っているだろうなと、思っていた。けれど、実際には、ちっとも変わっていなかったの。人は幾つになっても、どれだけ歳を重ねても、同じように人を愛するものなのだと、知ったのよ'